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pegawa's blog

昔 ピープルという ビデオレンタル屋がありました 都築さまより<a href=http://roadsidediaries.blogspot.com/2009/11/blog-post_11.html>ビデオ・スターの死</a>

レンタルビデオ物語 その17


おかあさん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました - 遠藤ミチロウ - YouTube

営業努力の一貫として、チラシも作った。
競争社会のこの世の中、そのくらいしなくては、ビッグマネーは掴めない。

「店が狭いからウロウロしなくて大丈夫!」
ってナイスなコピーを思いついたが、
前の『キングコング』の件もあるので、おとなしくいこうと思った。
「比べるとトクする」
という凡庸なコピーだったような・・・。
前からあった、プリペイドカードという名の
「まとめて前払いしてもらうと一本あたり安くしますよ~」
的な回数券の宣伝である。
450円のレンタル料金が、最高で250円まで安くなる!
まあ、100円レンタルが主流になったこのご時世では屁でもないだろうが、
当時としてはかなり破格だった。
あのころは、500円前後が主流だったのである。

あと、我が『ピープル』は薄暗いビルの2階にあり、
どういう商売をやっているのかよくわからない印象を人々に与えていたようなので、
とりあえず世間に
「ビデオレンタル屋さんですよ~」
って伝えたかった。
いろいろ過激なことで知られる『リアル』ってバンドの人と仲良くなった時
「笹塚よく行くけど、あの2階のレンタル屋みたいのが恐ろしくって・・・」
って言われたり、商店街の寄り合いで知らない人から
「あの2階の店は悪の巣窟らしいですね~」
と言われたりして
「僕の店だ」
と言い出せなくて困るのを解消したい!という思いもあった。

チラシではまず見ないオレンジ色で印刷して目立つようにし、とりあえず2万枚作った。
「お店の宣伝だろうとライブの告知だろうと、チラシは小さいほうがいい!」
という、理由は本人にもよくわからないのが持論の僕は、文庫本よりちょっと大きめのサイズにした。

近所の新聞屋さんに折り込んでもらったところ、爆発的な威力こそなかったが、
知った人にプリペイドカードが売れて嬉しかった!

で、調子に乗った僕は、町中に貼ってやろうと画策。
夜な夜な、店からの帰り道に、両面テープをつけたチラシを電柱に貼り付けていった。

ある夜、街灯の薄明かりの下でいつものごとく貼り付け作業をしていると、
道のちょっと先で男が仁王立ちしている。

当時の笹塚は、夜中に堅気の人がウロウロしているような町ではなかった。
泥酔
(これ今入力していて気がついたけど!
「でんすい」じゃなくて「でいすい」なんだ!よくこの状態になるけど、
読み方間違えてた!泥酔するはずだ・・・・)
したヤンキーがいて
「おい!ちょっと待てよ!ケンカしようぜ!」
とビーバップ的事態になりそうなことも時々あったので
「三十六計逃げるにしかず」
と思い、ピューと消えようとしたら
「おい、ちょっとまて!」
と、追いかけてくる!

「しつこいヤンキーだなあ~」
と、薄明かりの下でよく見ると、
なんとデカイ、がきデカ
あのボウシ制服!
そうです、国民の生活を守るおまわりさんという名の暴力装置
「ああ・・とうとう留置の世界・・・おかあさん パンツの履けない留置所は寒いです」
と、いろんなことが交錯。

首根っこ捕まえられて、手をねじ上げられ、手に縄!

なんてことはなく・・・

「ダメじゃない、チラシなんか張っちゃ!
 どうせ風俗かなにかでしょ・・・
 あれ?あの2階のレンタルビデオ屋!?
 知ってる知ってる!
 よく借りに行くよ!
 覚えてない?俺?
 ○○子ちゃんのファン!
 いいねえ~アノ子そろってて!」

なんのことはない、装置といえども人の子、アダルトビデオのファンだったのである・・・・。
あんなボウシと制服着てるから分からなかったけど、

その顔はたしかによくお店に来る無口なガイであった。

そのあと、いかに自分がアダルトが好きか!
で、どういうシチュエーションが好きか!
で、これからの仕入れの指針!
で、なぜか自分の装備品のいいところ!
で、それを自前で買ってること!
で、手袋は特製なこと!
で、ベストはクサビカタビラなんだけど、上司にいい顔されないこと!
で、おまわりさんも命が惜しいから重くてもそれつけてること!

なんて・・・ホントどうでもいい話を一時間たっぷり道端で聞かされてようやく開放・・・・。

それから数日後。

くだんの暴力装置
「おまわりさんになんかおもしろいのないかなあ~」
などと鼻歌交じりに言いながらやって来たので、結局何本か、

賄賂として無料で貸すことになった・・・・。
東映映画『県警対組織暴力』や『リーサルウェポン
などを選んであげた。
当然アダルトも!

で、彼はまた新しい警棒を通販で買ったらしく、その自慢話もまた小一時間。
結局ビーバップポリス。
たまたま僕が着ていたTシャツの横文字を彼は読み上げた・・・
「『コップ シュート コップ』ねえ・・・」


バカらしいから、それ以来、もうチラシはつくるの止めた。