pegawa's blog

昔 ピープルという ビデオレンタル屋がありました 都築さまより<a href=http://roadsidediaries.blogspot.com/2009/11/blog-post_11.html>ビデオ・スターの死</a>

お笑いのこと 1

Kill Bill - Trailer - YouTube

 

前にも書いたが、高校時代の僕は、
バンドだけではなくて、剣道部にも所属していた。
ちなみに2段!おまけに部長!
でも、公式戦無勝。
無敗、ではなく。
剣道は基本が型なので、強くなくても段がとれたのだ
(今はどうかしらないけど、少なくとも当時は)。
あと、奇声をあげたりするので声がでかくなる。
これは今でもバンドをやる上で役に立っているかも。
あと、基本左だけで竹刀を持って、
右手を軽く添えて制御するので右肩だけが異常に発達する。
これはバンドでは特に役に立ってはいないが、
「俺、昔剣道やってたんだ」とギャルに言って肩を触らせてキャーキャー言われたりとか、
別の意味でロックンロールライフの役に立っていた。
今はもう、左肩右肩とも同じになってしまったけど・・・。

ちなみに柔道部の部長B君も、
僕と同じく軽音部と掛け持ちで、パートはドラムだった。
ドラムというのがすごく柔道部っぽい。
クラスも一緒だった。

剣道場と柔道場に挟まれて、卓球部の部室があった。
卓球部の部長Hくんはユニークな顔の持ち主で、いつもニコニコしていた。
都立高校なのに、何故か埼玉から通っていた。
受験してから、引っ越したらしい。
彼とはクラスが違ったせいもあり、そんなに親しくはなかった。

ある日、彼が自分の教室でみんなに囲まれてるのが目に入った。
そんなに目立つ人でないので「めずらしいなあ」と思い、
よく見てみると、へんてこな手品をやっているのだった。
ユニークな顔と、いんちきな手品。
指が移動するとか、そういう小学生低学年レベル。
不思議なおもしろさがあった。

彼に興味を持ったのでハナシを聞いてみると、なんと、その手品でTVに出ることになったという!
TVである!!!
ビックリ。
軽音な僕は、おせっかいながら「音楽をつけるべき」とアドバイスした。
的確なアドバイス(?)に感動したらしい彼は、僕に作曲を依頼してきた。

作曲!
喜びいさんでシンセで曲を作りだしたのだが、
Hくんと話しているうちに仲良くなり、
思いがけず伴奏で一緒に出演してほしいと頼まれた。
「テレビなんか関係ネーヨ」
という、初期衝動ジャパニーズ(文系)パンクスの僕だったが・・・
実は、「テレビに出れる!テレビに出れる!」とわくわくだった。
まあ、パンクスと言っても高校生だし・・・。

そこで、気がついた。

「あ、オレ楽器まともに演奏できない・・・」

あわてて小学生だった弟のピアニカを借り、
軽音部でキーボードをやってたKくんにコードの押さえ方を教わった。
あの、音楽の時間の始まりに、お辞儀をする時に先生が弾くヤツ。
それと、ファンファーレ。
ちなみに、お辞儀とファンファーレは同じコード。
CとB。
ドとシ。

それから僕らは、道場の裏で血が滲むような稽古を続けた・・・・
と、いうのは嘘だが、そこそこ一生懸命にやった。
演奏自体は3秒で覚えられるような簡単なものだったが、
手品とのタイミング合わせが結構難しかったのだ。


「意外とお笑いはタイミングが大事。間は魔」
なんてことを僕が言うと、お笑いマニアのH君は感動してくれた。
手品のはずだったのに、何時の間にやらお笑いに・・・・。

コンビの衣装は高校の制服にした。
上が茶色の背広、下が灰色のズボン!ネクタイはエンジ!
お洒落な僕は、
クラフトワーク日本公演で露天商から買った細いネクタイをしていた。
斜めに「Kraftwerk」と書いてあるデザイン。
当然、クラフトワークのメンバーはそんなネクタイの存在は知らない。

ロックな僕は、フリクションのレック先生に憧れてサングラスもかけることにした。
サングラス入手のためにわざわざ新宿まで遠征して、
宝島で読んだしょんべん横丁デヴュー!
小ガード入り口近くのサングラス屋で、黒ブチの四角いタイプを購入した。
そのお店は今でもガーゼのシンさん御用達らしい。
海外の雑誌で
「そのキャツアイはどこで買ってる?」
と聞かれ
「しょんべん横丁で買ってる」
と答えているのを読んだことがある。
全世界パンクスの聖地、しょんべん横丁!
そうそう、トイドールズも買ってたらしい。
当時はあの場所に何軒もあったサングラス屋だが、今は1軒だけ残ってる。

用意は万全!
とある日曜日の早朝、
ふたりして日本テレビのある市ヶ谷の駅前に初めて降り立った。
三多摩の高校生は、
山の手線の内側に行ったことはほとんど無かったのである。
駅に降りただけで緊張していた・・・。
それから起ることを知らずに、
僕らは『TVジョッキー』の生放送がある日本テレビに迷いながら向かった。

頭の中では、『キルビル』のテーマ
(ホントは阪本順治監督の映画『新・仁義なき戦い』のテーマ)が流れていた。
・・・本当はずっと後の音楽だけど・・・。